中古マンション売買の注目されていない重要なポイント【コラム】

中古マンションの売却・購入について、あまり注目されていない確認しておきたいポイントについてお伝えさせていただきます。

【総会の議事録】

マンションでは、区分所有法で総会を年1回以上開催することが義務付けられており、総会は議事録の作成が義務づけられています。

保管期間は永久となっており、利害関係者(媒介の依頼を受けた宅地建物取引士は含まれる)は、総会議事録を閲覧することができます。

マンション購入をご検討されているお客様にとって、管理会社様と区分所有者の方々との関係性を端的に知ることができます。特に、管理会社の変更があった年、大規模修繕を実施した年の前後数年間の合意形成の過程に関する議事録を確認いただくことをお薦めします。(場合によっては膨大な量となってしまいますため、当社のお客様にはダイジェスト版をお伝えするようにしております。)

売主様にとっても、買主様が安心してご購入を判断できる材料になる可能性もございます。

【区分所有者の構成】

比較的規模が小さいマンションの場合、稀に同一の法人が複数の区画を所有し、賃貸している場合があります。その法人が管理会社と資本関係がある場合、管理費や修繕積立金を調整できてしまい、区分所有者の方々から管理会社への牽制機能が損なわれてしまいます。

管理費や修繕積立金が他マンションと相対的に上がってしまうと、毎月の負担が増えるだけでなく、将来的に売却する際に売りにくくなる等、影響を受ける可能性があります。

【修繕積立金】

ご購入の際に、買主様と売主様との間で、過去に積み立てた修繕積立金の清算は生じません(積立金は管理組合の財産となるため)。

売主様が買主様に所有権移転後、大規模修繕実施時に、一時金を別途徴収されることなく(積立金総額が足りない場合は一時金が発生します)、買主様の持分に応じて修繕の利益を享受できるため、修繕積立額は潜在的な価値(売却価格の値引きに近い)になります。

仮に修繕積立金が2億円積み立てられており、購入した区画の所有比率3%の場合、将来的に600万円(=2億円×3%)が買主様の修繕に充てられる原資(所有権に基づく権利)になります。

工事費用が高騰する昨今の状況において、より重要な要素になります。

(大規模修繕が何度も後回しになっている場合は、議事録を確認し延期になった理由を確認します。)

【建替えの話題】

上記①にも通じますが、総会議事録に建替えに関する話題の有無を確認します。

建替え決議のハードルは依然として高いですが、行政はハードルを下げる動きがあり、上記②のように複数区画を所有する法人の有無によっては、早期に決議が通る可能性があります。

建替えには区分所有者の自己負担が生じる場合もあります。中古マンションを購入し、リフォームを実施した後に建て直しとなってしまうと買主様のライフプランが大きく変わってしまいます。総会議事録の中で、建替えに関する記載がある場合は要注意です。(建替えの話題があったとしても、区分所有者間の合意形成に長い時間がかかる場合がほとんどです。)

【管理規則の内容】

中古マンションの場合、リフォームの内容・選べる素材に影響がある内容が管理規則に書かれている場合があるため、リフォームを前提に購入をお考えの場合は、リフォームに影響する内容を事前に把握されることをお勧めします。

【ゴミ置き場】

ゴミ置き場は、管理会社様と区分所有者の方々との関係性が出やすい場所なため、内覧時に見させていただくようにしております。

また、中古マンションのご購入に関しましては、リフォームも重要なため、マンションリフォームに関するコラムもご参考いただけたら幸いです。

まずは、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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