事業用不動産の収益改善施策~自動販売機~【コラム】

将来的に売却を想定されている都心ビルの収益改善に関するご相談をいただき、施策をご提案させていただいております。

色々ご提案させていただきました中で、今回は自動販売機についてまとめてみましたので、ご参考にしていただけましたら幸いです。

【自動販売機の設置】

自動販売機の新設は、一番手早く収益改善に繋げることができ、テナント様へのサービス改善にも繋がります。

設置費用はベンダー様の費用負担となることが多く(電源が設置場所付近に無い場合、電源増設工事費用を負担いただく場合もあります)、売上に対し一定の料率でオーナー様の収益になります。

※自動販売機の運用について、フルオペ(ベンダー様に全て委託)とセミオペ(オーナー様が商品の仕入れを行うなどオーナー様が管理)がありますが、オーナー様にご負担が少ないフルオペを前提とさせていただきます。

ベンダー様を選定する上で、①料率の高さ、②狭い場所にも設置できる最新機の取り扱い、③オーナー様の好み、を考慮し選定していきます。

料率について、売上の想定が高く、オペレーションに負荷がかからない場所の自販機設置の場合は比較的高い料率が設定されます。

売上の想定は、自販機前の通行量に依存するため、各社ベンダー様の売上想定にほぼ差は生じません。

オペレーションの負担については、近隣に同じベンダーの自販機がある場合は、オペレーションの効率が上がるため、料率に反映されやすくなります。

一方で、同じメーカーの商品が一定のエリアに過剰供給されてしまうと、売上自体が落ちてしまう可能性もあるため、商品構成等についてベンダー様と協議しながらバランスを考慮します。

オフィスビル内に自販機を設置する場合、設置個所に余裕がある場合はカップコーヒーの自販機と一般的な自販機を2台設置するとテナント様にも喜んでいただける傾向があります。(ただし、1Fにカフェがテナントとして入居されている場合など、カフェの売上に影響を及ぼす可能性もあるため、複合的な要素を考慮し慎重に進める必要があります。)

また、大型ビルの場合、屋内設置は機器への負荷も少なく、ベンダー様にとって一定の売上が確保されるため積極的ですが、出入りするベンダー様を増やしすぎてしまうとエレベーターが占有されテナント様に影響を及ぼす可能性があるため、出入りするベンダー様の数を制限するなど考慮する必要があります。

ビルの外観が悪くなることを懸念されるオーナー様も多いと思いますが、自販機を目立たないような模様・色でラッピングすることもできますので、ベンダー様と協議いただくことをお薦めいたします。

また、災害時はテナント様へ中の飲料を無償で配布できる契約をベンダー様と締結できる場合もあります。

自販機での収益が仮に年間50万円発生した場合、都心ビルであれば利回り3.5~5%だと想定しても、売却価格に約1,000万~1,400万円(≒50万円÷3.5~5%)の上乗せになるかもしれません。

事業用不動産は収益還元法をベースとして取引されますので、売却前に収益改善に取り組むと、売却時により有利な価格で売却できる可能性が高まります。

まずは、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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