事業用賃貸で気を付けておきたい消防法について【コラム】

先日、コワーキングスペースの賃貸事務所を探されているお客様の仲介をさせていただきました。

その過程において、各不動産会社様(オーナー様より物件を預かっている元付業者≒管理会社)によって見解が分かれる出来事がありました。

元付業者4社へ問い合わせした際の反応の違い

お客様からのご要望・条件に合いそうな物件を調査し、新規テナントを募集している元付業者様へ電話し、空き状況、募集条件等を確認します。

1つの物件で複数社の元付業者様が募集している場合も有れば、元付業者が1社のみの場合も有ります。

今回契約した物件は、元付業者様が5社以上募集している物件であり、本来はオーナー様の代理として回答が同じになるはずではありますが、問い合わせの段階で各社の回答が異なっておりました。

【A社の見解】

・オーナー様直営の会議室がビル内にあるため、同業態不可になります。

【B社の見解】

・先日、成約したため募集終了しました。

・用途変更は不可。

【C社の見解】

・不特定多数の出入りがあるテナントはNGです。純然たる事務所のみでお願いします。

【D社の見解】

・最終的にD社経由でお申込みをさせていただき、成約に至っております。

【総論】

A社:最終的に成約できているため、オーナー様への確認不足が原因と思われます。

B社:建築基準法と消防法が混同し、オーナー様と調整する手間等を考慮し、謝絶されたことと思われます。

区画は200㎡を超えており、建築基準法は200㎡を超えて用途を変更する際は、用途変更の手続きが必要になります。

一方で、今回のコワーキングスペースは事務所の用途になるため、用途変更を要しませんが(前テナントは事務所)、不特定多数の出入りがあるという点で拒否されやすいポイントになります。

C社:上記の建築基準法とは別に、消防法上の用途が異なれば、別途手続きが必要になります。

不特定多数の出入りがある用途の場合は、消防設備の要件等が厳しくなるため、ビルによって状況が異なり、詳細の確認が必要になるため、その時点でNGとされてしまうことも多いのが現状です。

消防法について

各社の見解が分かれる理由につきまして、消防法の存在があります。

実は、消防法に関しては、宅建業の範囲外(※重要事項説明の対象外)になるため、資格取得の過程で学ぶ機会は無いですが、実務においてはとても重要な内容になります。

また、建物を建てる際の助言や、事業用賃貸の仲介においては、消防に関する見解を確認しつつ進めて行くことがとても重要ですが、上述の通り、元付業者様によって見解が異なり、話がかみ合わない場面が多々あります。

上記の例は、オーナー様は把握されているものの、元付業者様が理解されていなかった例になります。

オーナー様も理解されていない状況で成約してしまった場合には、建物全区画にスプリンクラーを設置する必要が出てくるなど、既存テナント様との調整や新規テナント様の工事費用が跳ね上がってしまう結果になってしまう場合もあります。

消防に関するB工事に要注意

間仕切りや什器の設置場所によっては、感知器の移設など消防設備に関する工事が発生します。

一般的に、消防に関する工事は、ビル全体へ影響することを考慮し、B工事(オーナー様の指定業者、費用負担は借主様)になります。

大手ゼネコン等がB工事業者の場合は、一般価格の数倍以上かかってしまい、内装工事の予算について大幅な調整を余儀なくされる場合も有りうるため、契約締結前にB工事業者名を確認しておくことも大切です。

新規出店をお考えの際は、お気軽にご相談いただければ幸いです。

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